上場制度総合整備プログラム2007
1.上場制度の整備に向けた基本方針
東証は、株主・投資者の保護及び尊重を図りつつ、流通市場の機能を適切に発揮させ、上場会 社の企業価値及び国際競争力の向上を支援する観点から、上場制度の包括的な見直しに取り組 むために、以下の基本方針をもとに上場制度の整備を図ることとする。
市場の健全性確保に向けて、上場会社などの市場関係者に対して証券市場を構成する一員として の一層の自覚を促すような制度を整備する。
会社情報の開示の一層の充実を図ることにより透明性を確保する。
投資者保護及び市場機能の適切な発揮の観点から、企業行動に対して適切な対応をとる。 上場会社などの市場関係者にとってより使い勝手のよい市場の整備に取り組む。
上記の対応に当たっては、国際的な整合性に配慮する。
2.実行計画
「直ちに実施する事項」(第一次実施事項)
本プログラムの公表後速やかに制度要綱をとりまとめ、又は要請を実施することとした事項
「具体案を検討のうえ実施する事項」(第二次実施事項)
2007 年度中に制度要綱をとりまとめ、又は要請を実施するために、詳細について有識者らを交 えて検討を行うこととした事項
「検討を継続する事項」
基礎的な問題点の洗い出しなど、実現に向けた検討を継続的に行っていくこととした事項(内 容によっては上場制度整備懇談会において検討を行う)
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Ⅰ.企業行動に関する制度の整備
⑴ 適時開示の充実
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○適時適切な会社情報の開示は、健全な証券市場の根幹であることから、上場会社に対する意 識の啓発や会社情報を投資者が利用しやすい環境の整備を随時実施する。
○MSCB等や第三者割当増資に関する開示の充実を図る。
○金融商品取引法における四半期報告制度の導入(半期報告制度の四半期報告制度への統合を 含む。)を踏まえ、適時開示における中間決算短信と四半期財務・業績概況の開示を統合する など所要の対応を行う。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○投資判断上重要な事項が過不足なく開示されるよう適時開示に関する上場規則の見直しを行う。 投資判断上実質的に影響があると上場会社が判断する事項については、軽微基準にかかわらず開 示が必要であることを適時開示規則上に明記することが考えられる。
投資判断上の重要性に即したものとなるよう適切な軽微基準を設けることを検討する。
〔検討対象(案)〕 子会社の解散
利益が少額の場合の利益水準 ほか
軽微基準について原則として連結ベースへと見直す方向で検討する。
○適時開示に関するガイドライン(適時開示ガイドブック)について、重要性に応じて開示が 適切に行われるよう見直しを図るとともに、開示・記載上の注意事項やQ&Aの充実等を図 るなど実務的に使いやすいものとなるよう見直しを図る。
検討を継続する事項
○ TDnet(適時開示情報伝達システム)の刷新による、財務諸表データの高度利用を促す XBRL
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⑵ 企業行動規範の制定
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○会社情報の適時適切な開示の履行義務に加えて、株主・投資者の保護及び市場運営の観点か ら、企業行動に適切な対応を求める事項を「企業行動に関する行為規範(以下「企業行動規 範」という。)」として上場規則上に制定する。
−企業行動規範の制定
企業行動規範は、従来から上場会社に要請してきた事項(株主総会における議決権行使の促進 に向けた環境整備及び内部者取引の未然防止に向けた体制整備等)及び規範的要素を含む上場 規則(望ましい投資単位の水準への移行及び維持に係る努力等、買収防衛策の導入に係る尊重 事項、並びに株式分割等に係る努力等)を再整理し、新たに市場開設者の立場から上場会社に 求める事項を加えたもので構成するものとする。
株主総会における議決権行使の促進に向けた環境整備の内容としては、従来から要請してきた 事項である株主総会の分散化、並びに招集通知の早期発送、ホームページ掲載及び英訳などが 想定される。
−上場会社としての一般的な規範として、流通市場の機能及び株主・投資者の権利を尊重す べき旨を明確化する。
−特に新興市場における上場会社の品質向上の観点から、コーポレート・ガバナンスに関す る基本的な事項を企業行動規範として定める。
会社法上の大会社以外の上場会社においても、監査役会(又は委員会)及び会計監査人の設置、 並びに会社法上の内部統制システム(業務の適正を確保するための体制)の決定を行うものと する。
株主の数が 1000 人未満の上場会社においても、株主総会参考書類(又は代理権の授与に関す る参考書類)をすべての株主に対し交付するものとする。
− MSCB 等の発行に当たって、日本証券業協会の会員証券会社以外が買い受ける場合におい ても、日本証券業協会の定める自主ルールを尊重することを求める。
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○企業行動規範に関する実効性確保の方法について、整理を行う。
企業行動規範に掲げる事項の実効性確保の方法については、その遵守の必要性や行為の具体性に 応じて規定することとし、上場廃止も想定される事項、公表措置をとる事項、自主的な上場会社 の対応を促す事項等の段階を設けることとする。
○企業行動規範の整備に伴い、「コーポレート・ガバナンス」及び「内部管理体制の有効性」に ついて、上場審査における実質審査の項目として明確化する。
現在、審査基準各項目の取扱いに分散されていた「コーポレート・ガバナンス」及び「内部管理 体制の有効性」に関する審査の観点を集約し、新たな審査項目とする。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○経営陣や支配株主が関わる取引について、利益相反により少数株主が損害を被ることを防止 するため、以下の事項に関する施策を企業行動規範に定めることを検討する。
親会社を有する上場会社による、親会社などの出身ではない社外役員の選任
支配株主との重要な取引及び支配株主による公開買付けに関する意見表明について、例えば社外 役員により構成される特別委員会等の承認を得るなどの利益相反による弊害を防止するための措 置をとること
MBO に関する意見表明について、利益相反による弊害を防止するための措置をとること
○いわゆる反社会的勢力による被害を防止するための社内体制の整備について企業行動規範に 定めることを検討する。
警察及び証券業界全体で反社会的勢力による被害を防止するための取り組みを強化していること を踏まえ、上場会社として社内体制の整備に努める旨を企業行動規範において規定することを検 討する。
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検討を継続する事項
○追加的に企業行動規範に含めるべき内容がないか、継続して検討を行うこととする。 株式の発行について株主の同意を必要とするなどの規範やコーポレート・ガバナンス全般のあ り方を中心に、有識者による検討を実施する。
平成 16 年に策定した「上場会社コーポレート・ガバナンス原則」について、最近の議論の動向 を踏まえた改定を行う。
⑶ 親会社等を有する上場会社への対応
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○親会社を有する会社の上場に関する東証の考え方を公表する。 親会社を有する会社の上場は、上場制度として禁止するのは適切ではない。
しかしながら、(新規上場時から親会社を有する場合であっても、企業再編等を通じて上場後に親会 社を有することになる場合であっても)少数株主との利益相反のおそれなどの内在する弊害や問題点 があること、昨今の経営環境においては上場会社には本格的な連結経営が求められていることを踏 まえれば、投資者をはじめ多くの市場関係者にとって必ずしも望ましい資本政策とは言い切れない。 上記の認識を「新規上場の手引き」、「会社情報適時開示ガイドブック」や東証のホームページ等に掲 載し、関係者への周知を図る。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○経営陣や支配株主が関わる取引について、利益相反により少数株主が損害を被ることを防止 するための施策を企業行動規範に定めることを検討する。
⑵ 企業行動規範の制定 参照。
親会社等(親会社及び上場会社が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社をいう。) に関する事項の開示や、親会社等を有する会社における経営陣や支配株主が関わる取引につい て、企業行動規範等を踏まえ、開示内容の充実に向けた検討を行う。
○実質的に一体の親会社及び子会社による上場の防止に向けて、他の証券取引所と協調して検 討を行う。
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検討を継続する事項
○親会社等を有する会社の上場審査について、審査項目、内容について再整理を行う。 子会社の運営の実情はその属する企業グループの経営方針に応じて多様であることを踏まえ、上 場審査のあり方について引き続き検討を行う。
○上場会社が企業再編等により親会社等を有することになった場合の内部管理体制の確認制度 の整備に向けた検討を行う。
企業再編等の結果、上場会社が上場又は非上場の親会社等を有することになる場合には、既に上 場している会社の内部管理体制の確認方法に関する整理に基づき、新規上場時に行う親会社等に 関する審査と同等の審査を実施することについて検討する。
⑷ 内部統制報告制度への対応
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○ディスクロージャーの信頼性確保のため、上場会社において内部統制システムを整備する必 要があり、また今後新規上場を目指す会社においても上場後に内部統制体制が整備される必 要があることを踏まえ、そのための準備を自ら進めていくことが望ましい、という東証の考 え方を公表する。
○内部統制報告制度に関する上場審査及び上場管理上の当面の取扱いの方向性について公表す る。
同制度の開始前における内部統制状況の新規上場審査においては、現行規定の中で所要の確認を 行うこととする。同制度の開始後における未上場会社の新規上場審査についても基本的にこれと 同様とする。
なお、内部統制報告書等に準じた書類を作成している場合には、上記確認はその内容を斟酌して 行うこととする。
上場会社について、内部統制における重要な欠陥が直ちに財務諸表の虚偽記載に結びつくもので はないことを踏まえ、内部統制報告書及びこれに係る監査報告書の記載内容をもって、上場廃止 することは行わないものとする。
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具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○内部統制報告制度の導入にあわせて、他市場に上場している会社の新規上場申請時の取扱い 等について、上場規則の見直しを検討する。
新規上場申請会社が他市場に上場している場合には、平成 20 年 4 月以降に開始する事業年度に ついて、上場申請時に内部統制報告書及びこれに係る監査報告書の提出を求めることとする。 なお、当該書類において、経営者が評価結果を表明できない場合又は監査人が意見の表明をしな い場合は、申請不受理事由とする。
上場会社について、内部統制報告書において、経営者が内部統制に重要な欠陥があるとする場合 又は内部統制の評価結果を表明できないとする場合、及び、監査人が不適正意見を表明する場合 又は意見不表明とする場合について、適時開示事由とする。
検討を継続する事項
○今後の実務の動向を踏まえ、未上場会社の新規上場申請時に、内部統制の整備状況を確認す るための書類の提出を求めることについて検討を行う。また、上場会社についても、内部統 制における重要な欠陥が継続的に是正されない場合等における上場管理上の取扱いについて 検討を行う。
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⑸ 種類株式の上場制度の整備
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○議決権に関する種類株式の上場を認める場合の要件等について、具体的な検討を開始する。 新規公開時であっても上場が認められる種類株式のスキームに一定の制限を設けることとし、ど のようなスキームであれば上場が認められるかについて、実務家・専門家らを交えて検討を開始 する。
○既に上場している会社による種類株式の発行等が認められない場合について、整理を行う。 上場会社による種類株式の発行等が認められない場合については、「株主の権利の不当な制限」 に該当する場合として整理する。
「株主の権利の不当な制限」となる場合としては、原則として、上場会社が上場株式より議決権 の多い種類株式を発行する場合や、上場株式の議決権を制限する場合などが想定される。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○議決権に関する種類株式の上場に必要な要件等について整理を行う。 議決権に関する種類株式の上場が認められる場合について具体的に整理する。
議決権に関する種類株式の発行・上場が認められる具体的なスキームを、新規公開の場合や上場 会社が議決権の少ない株式を発行する場合などに分けて検討する。
議決権に関する種類株式について必要とされる上場審査、上場廃止の各基準(例えば流動性基準 等)について整理する。
議決権に関する種類株式を上場する会社について、企業行動規範として求めるべき内容がないか 検討を行う。
種類株式の上場であることを投資者が理解しやすいような表示上の工夫の方法について検討を行 う。
上場した種類株式の指数等における取扱いについて整理する。
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検討を継続する事項
○普通株式を上場していない会社について、優先株式のみの上場を認めるべきかについて検討 する。
優先株式のみの上場の可否及び優先株式のみの上場を認める場合の要件やスキーム等について上 場規則の整備を行う。
○議決権に関する種類株式の上場に関するガイドラインを作成する。 実際に上場した事案に基づきガイドラインの整備を行う。
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Ⅱ.市場制度の整備
⑴ マザーズの信頼性向上
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○マザーズの、成長の初期段階にあり、かつ、将来的に本則市場に上場することを志向する企 業に早期に資本市場へアクセスする機会を提供する市場としての性格を明確にするよう、上 場制度の整備を行う。
本則市場からマザーズへの市場変更に関する上場規則を廃止する。
成長性の見込まれる企業の上場を促すため、現行の売上高に関する上場審査基準を廃止し、売上 高に関する上場廃止基準を上場後5年間は適用しないこととする。
○マザーズ上場会社の新規上場時における流動性を高めるための上場制度の整備を行う。 マザーズ上場会社の新規上場時点の流動性不足を改善するために、株式の分布状況に係る上場審 査基準を見直し、新規上場時に一定の少数特定者持株比率の水準を求めることとする。
新興企業向け市場であることを考慮して、適切な水準を設定することとする。
○マザーズ上場会社の経営者向けセミナーを開催する。
公開会社としての責任について理解を一層深めることを目的とした経営者向けセミナーを開催す る。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○マザーズの信頼性の向上及び成長のサポートに向けた以下のような上場制度の整備について 検討を行う。
マザーズの上場審査で高い成長可能性を踏まえた実質審査を行っている現状を踏まえ、当該審査 の規則上の位置付けを明確にする。
上場後一定期間(例えば5年間)経過したマザーズ上場会社に対しては、投資者保護及び企業の 成長をサポートするという市場の基本的な性格を踏まえ、本則市場の上場審査で実施する実質審 査に準じた審査(企業の継続性・収益性に関するものを除く)を実施し、不備がある場合には改 善を勧告することができる制度を導入する。
上記審査において改善すべき点を指摘されなかった会社が、当該審査後一定期間以内に本則市場
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上記審査については、最初の実施後は5年ごとに継続的に実施することとする。
マザーズ上場会社に対して、年2回の会社説明会の実施を継続して義務付けることとする(現在 は、上場後3年以内に限り義務付けている)。
検討を継続する事項
○上場後一定期間経過後において成長が確認されなかったマザーズ上場会社については、マ ザーズ市場からの退出を促す方策を導入することについても検討を進める。
マザーズ上場後一定期間以上経過した上場会社に対しては、一定規模以上の利益又は売上高の水 準を満たすことを求めることとし、当該基準を満たせない上場会社に対しては上場廃止(又は東 証が指定する他の市場区分への移行)を求める制度の是非について問題点を整理する。
○マザーズに関する投資者の理解の充実策について検討を行う。
一般投資者が新興企業に対する投資の独自のリスクを十分に理解することを支援するための工夫 について検討する。
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⑵ 売買単位の見直し
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○売買単位の集約及び統一の実現に向けて関係者と調整を進める。 行動計画の策定に向け、国内の証券取引所に協力を呼びかける。
関係者(上場会社、証券会社、株式事務代行機関、保管振替機構等)と実務上の課題について引 続き調整を進める。
○新規上場会社及び単元変更会社等に対して売買単位の集約へ向けて要請を行う。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○調整が進み次第、内国の普通株式について、将来的に1単元 100 株に売買単位を統一するこ と及びその前段階として1単元100株と1単元1000株に集約することを実現するための行動 計画を策定・公表する。
平成 21 年の株券電子化制度の導入時点から一定の移行期間を設け、1 単元 100 株と 1 単元 1000 株に集約することを当面の目標とする(実務上の課題を考慮したスケジュールで進めることとす る。)。
あわせて、集約完了の日以前に新規上場する会社や単元の設定・変更を行う会社について、売買 単位の集約を前倒し適用するよう上場規則の改正を行うことが考えられる。
検討を継続する事項
○将来的な売買単位の統一に向けた検討を継続する。
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⑶ 流動性等に係る基準の見直し
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○株主数基準の見直し
上場廃止基準における株主数基準では、現行の逓増方式についても一定水準で固定するよう見直 すこととする。
上場審査基準、一部指定基準及び指定替え基準についても、上場廃止基準の見直しの趣旨に合わ せた改正を行う。
○浮動株式数基準及び浮動株時価総額基準の導入
新規上場及び一部指定において、東証の定める算式(上場株式数から少数特定者持株数を減じた もの)に基づく一定の浮動株式数及び浮動株時価総額を少なくとも上回ることを求めることとす る。
東証の定める算式に基づく一定の浮動株式数又は浮動株時価総額を下回った場合には、上場廃止 又は指定替えを行うこととする。
○少数特定者持株比率基準の見直し
少数特定者持株比率基準の算定方法について、最近の株主構造の変化を踏まえた改正を行う。 上場廃止基準については、浮動株式数基準及び浮動株時価総額基準の導入を踏まえ、少数特定者 持株比率が 95%を超えるような極端に固定化が進んだ会社に対して適用する基準に改めること とする。
上場審査基準については、上場直後の相場の乱高下を緩和して円滑な流通を確保する観点などか ら、現行の水準を引続き求める。
マザーズ上場会社の上場審査においても、同様の趣旨から少数特定持株比率基準を適用すること とする。なお、マザーズは成長段階の新興企業を対象とするため本則市場よりも緩和した水準と する。
※実施に当たっては一定の経過期間を設けることとする。
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⑷ 市場区分の見直し
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○市場第一部、第二部の区分を定める基準について、以下のような上場制度の整備に向け実務 的な問題点について検討を行う。
〈想定される方向性〉
一部指定基準及び指定替え基準を、流動性に市場の評価の観点を加味した基準である浮動株時 価総額(上場廃止基準等に導入するものと同じ)を中心に再構成する。
一部指定基準における少数特定者持株比率基準については廃止する。
市場第一部・第二部の区分を定量的な基準に基づくものとし、現行の一部指定において実施し ている実質審査については、一部指定審査に代替する内部管理体制の確認制度(下項目参照) の導入に伴い廃止する。
本則市場に新規に上場する場合の市場区分の取扱い及びマザーズから本則市場に市場変更する 場合の市場区分の取扱いについても所要の改正を行う。
上記検討にあたっては、投資者に広く定着している TOPIX の継続性及び一部上場企業向けの 企業行動規範のあり方についても配慮する。
検討を継続する事項
○既に上場している会社の内部管理体制の確認方法について整理を行う。
現行の一部指定に係る実質審査に代え、上場後の内部管理体制の有効性を継続的に確保する観点 から、規模の大きい非上場会社と経営統合を行った場合、株主や役員に大幅な変更があった場合、 故意・重過失による適時開示規則違反が行われた場合、又は事業内容が短期で著しく変化した場 合その他当取引所として内部管理体制が不適切と判断される企業行動が行われた場合における内 部管理体制の確認制度の導入に向けた整理を行う。その際、不適当な合併等に係る上場廃止基準 の猶予期間審査等の制度とあわせた総合的な整理を行うこととする。
上記の確認の結果、問題点が指摘された上場会社の取扱い(例えば、問題点の改善が確認される までの間、本則市場及びマザーズ市場とは別の市場区分(上場規則の実効性の確保に向けた制度 の整備において検討される市場区分と同じ)への移行)について整理を行う。
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Ⅲ. 上場規則の実効性の確保に向けた制度の整備
上場規則の実効性の確保
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○上場規則の違反行為に対して制裁金を課すことについて具体的な検討を開始する。
○既存の改善報告書、注意勧告、公表措置等の実効性確保の方法について総合的に見直す。
○問題銘柄のための市場区分の設置についての制度整備を行う。
上場会社について、上場廃止基準には抵触しない程度の重大な上場規則違反が認められて改善を 求める必要がある場合及び上場会社の内部管理体制の確認において改善すべき点が発見された場 合に、当該上場会社を本則市場及びマザーズとは別の市場区分に移して管理を行うという制度の 導入について、上場制度の整備を行う。
○上場廃止等の決定等、上場会社にとって不利益となる措置を行う場合の判断の透明性、公平 性の向上を図る。
今秋にも独立性を強化した自主規制法人を設立し、自主規制法人が判断を行うことにより、決定 内容の公平性、透明性を向上させる。
○監理ポスト制度の呼称の見直しを行う。
現行の監理ポストの呼称を見直すとともに、上場廃止基準上の審査を行っている場合と他の事由 による場合とは呼称を異なるものとし、上場廃止基準上の審査を行っている状況を投資者に分か りやすくする方策を導入する。
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具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○制裁金に関する制度については、検討がまとまり次第、整備を行う。
制裁金の適用に当たっての手続や金額に関するガイドラインについても整理する。
○上場廃止等の決定等、上場会社にとって不利益となる措置の決定時の対応について、更なる 透明性の向上を図るための検討を行う。
上場会社が自主規制法人の決定に対する不服申立てを行うことができる制度の整備について検討 する。
不服申立てが行われている間は、措置の実施は中断することが考えられる。
検討を継続する事項
○上場廃止基準に抵触した銘柄の流動性の確保について、市場の速やかな整備に向け整理を行 う。
東証市場で上場廃止となった銘柄のうち、流通の場の維持が望まれるものを取扱うべき市場につ いて、東証のシステムインフラ等の提供を含め具体化に向けた検討を進める。
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Ⅳ.多様な商品の上場に向けた対応
多様な商品の上場に向けた対応
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○ファンドの上場制度の創設(投資法人に関する上場制度の拡充)
不動産投資信託証券に限り上場制度を整備している現状を改め、幅広い運用資産・投資方針の投 資法人の上場が可能となるよう所要の規則改正を実施する。
投資法人の上場に当たっては、不動産投資信託証券の上場と同様、投資法人だけでなく運用会社 の経営体制を確認するとともに、適切なリスクの分散など投資方針の健全性や継続性についても 確認するものとする。
○ ETF に関する上場制度の整備
新たな種類の ETF 商品の上場に向け、関係者のニーズを踏まえた制度改正を実施する。 ETF の特性を踏まえ、今後上場するものについては、対象指数や信託報酬等が同内容の商品が 東証市場の中で複数上場することに伴う流動性の分断を防止することができるよう、所要の対応 を図る。
ETF 市場の定着を踏まえ、ETF に求められる流動性基準のあり方等について見直しを行う。
○受益証券発行信託の受益証券(日本型預託証券(JDR))に関する上場制度の整備
改正信託法の施行を踏まえ、外国会社が、信託法に規定する受益証券発行信託の受益証券を活用 して上場する場合の要件を整理し、関係者と調整のうえ、所要の対応を実施する。この場合に、 米国で発行されているADRの態様を参考にすることが想定される。
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具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○欧米の取引所において上場が認められている多様な商品について、投資者のニーズを踏まえ ながら幅広く提供する方向で検討を進める。
多様な商品の上場に向けて、上場制度はもとより、上場制度以外の諸制度についても、必要な改 善を関係者に求めていくこととする。
検討を継続する事項
○東証市場の国際化に向けて、外国株市場の活性化策について幅広く検討を行う。
○受益証券発行信託の受益証券(日本型預託証券(JDR))の上場制度について、外国会社が発 行する株式以外の資産を原資産とする場合の要件について検討を行う。
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Ⅴ.その他
⑴ 公認会計士との連携強化
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○証券取引法上の監査を行う公認会計士等について会社法上の権限ができるだけ付与されるよ う工夫を行う。
具体的には、会社法上の大会社以外の上場会社においても会計監査人の設置を行う(Ⅰ⑵企業行 動規範の制定)とともに、やむを得ない事情がある場合を除き、証券取引法上の監査を行う公認 会計士等と会社法上の会計監査人を同一とすべき旨を企業行動規範において規定する。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○公認会計士の交代時における開示の充実に向けた見直しを行う。
金融審議会公認会計士制度部会報告(平成 18 年 12 月 22 日)を踏まえ、監査人の交代時におけ る開示の充実に向けて、交代の経緯や理由等の記載について検討を行う。
○上場会社監査事務所登録制度への協力
上場会社監査事務所登録制度の円滑な実施に向け、東証として必要な協力を行う。
検討を継続する事項
○公認会計士へのヒアリングに関する上場会社の協力義務の拡大及び具体的な方法等について 整理を行う。
上場会社の協力義務の範囲の拡大及び公認会計士にヒアリングを行う場合の手続について検討す る。
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⑵ 自主規制機能の強化
直ちに実施する事項(第一次実施事項)
○自主規制機能の強化に向け、自主規制法人を設立するとともに所要の上場制度の見直しを行 う。
上場及び上場廃止に関する業務(市場コンセプトに関連する上場基準の策定業務を除く)を自主 規制法人に委託することとする。
自主規制法人の設立に伴い、上場規則の体系の整備等の所要の見直しを行う。
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○自主規制法人の行う自主規制業務の執行について、より透明性の高い手続の導入について検 討を進める。
上場審査や上場管理における業務執行の透明性をより一層高めるため、判断における基本的な考 え方の明示等の諸施策の実施について整理を行う。
⑶ その他
具体案を検討のうえ実施する事項(第二次実施事項)
○内部者取引の未然防止体制の充実の観点から、上場会社の役員に関するデータの収集・管理 を行う内部者情報センター(仮称)を開設し、所要の制度整備を行うことを検討する。
内部者情報センターは全国の証券取引所の上場会社を対象とし、全ての証券会社が利用するシス テムとして、利用者である証券会社の実費負担を前提に東証が構築及び運営を行うものとして検 討を進める。
個人情報の取扱いに十分配慮することを前提として、上場会社は、内部者情報センターに所定の 範囲の上場会社の役員に関するデータ(氏名、住所等)を適時、適切に登録・変更する旨を上場 規則に明記することが考えられる。
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